昨年9月から東京都が各家庭に配布し始めその実用性や完成度の高さからネットでも話題になり、11月には1部140円で一般販売されるもあまりの人気ですぐに完売となった『東京防災』、待望のKindle版が無料でダウンロードできるようになった。

スマホにインストールしておけば一家に1冊から一人1冊へ、しかも常に持ち歩いていれば来てほしくない“X-DAY”が現実となってしまった時のために備えておけるだろう。この手のマニュアル本にありがちな持ってはいても中身まで見ようという気が起こらないものとは違い、今回の防災マニュアルは本当に読みたくなるコンテンツが満載。大震災が起きた際のリアルなシミュレーション、今すぐできる防災アクション、災害発生時に役立つ知恵や工夫、災害対応イエローページ、外国人向けのページ、家族の決め事や情報を書き込めるページなどこれ一冊あれば大抵のことには対処できるのではないか。何よりその大切な情報を読ませる力となっているのは洗練されたグラフィックデザイン、レイアウト、わかりやすいイラスト、考え抜かれた構成、ちょっとした遊び（パラパラ漫画）などクリエイティブ・ディレクションの素晴らしさだと思う。NOSIGNER代表の太刀川瑛弼氏が電通と共同でデザインを担当したことは後から知ったが、なるほどと納得した。とにかくこの防災ブックをまだ持っていないという方は一刻も早くダウンロードするべし。