僕の手元に残った時計ーIWC『GSTアクアタイマーSS』
ロレックスの2本に満足しつつも、やはりいつかはと憧れていたダイバーズウォッチ。あまりメジャーすぎないブランドで、見た目はシンプルなのに秘めたる実力は最強という条件で探し始めた。
結論から言うと選んだモデルはIWC(インターナショナル・ウォッチ・カンパニー)の『GSTアクアタイマーSS(ステンレススティール)』。1998年に登場し2003年頃生産終了となった短命のモデル。「GST」というシリーズ名の由来はケース素材にGold, Stainless, Titaniumを使用しているから。なぜかチタンよりステンレスモデルの方が価格が高いという不思議な設定だが、スチールケースの重厚感と渋い輝きがこのモデルの無骨なカッコよさを際立たせていると思う。当時としては大きめの42mmのケース径と15mm近い厚みのある頑強なケース、そして普段使いでは完全にオーバースペックな2000m防水という半端なさ。ダイバーズウォッチなのにクラウンガードがないすっきりしたデザイン。インサート式ではなく直接浮き出ているベゼルの目盛。2000年リシュモングループ傘下に入ったIWCのデザインはより華美な方向にシフトしていき大衆向けになってしまった。やはり1990年代までの道具としての信頼性と機能美に特化した質実剛健なモデルに惹かれる。