『GROOVISIONS 5×27』展を鑑賞
青山スパイラルにて開催中の『GROOVISIONS 5×27』展を見てきた。時代を牽引してきたデザイン集団の多方面に及ぶアートワーク、大型ディスプレイでの新作映像の発表など「GROOVISIONS」のフレームレスな活動を再確認できる展覧会だった。
活動の拠点を京都から東京に移して20年、グラフィックデザインやモーショングラフィックス、音楽、出版、プロダクト、インテリア、ファッション、そして代表作ともいえるchappie(チャッピー)などあらゆるジャンルの垣根を軽々と飛び越え、常に“今”を感じさせる表現方法でクリエイティブの新たな可能性を開拓してきた。といってもグルビが生み出す作品は最先端のデジタル技術を駆使しながらどこか温かくアナログ的でもあり、その絶妙なバランス感覚が時代の先を行き過ぎず広く受け入れられる要因なのだろう。まさにその象徴が「人型グラフィックデザインシステム」のチャッピー。今回の展示会場でもいろんなチャッピーに会えたが、中でもスパイラルカフェの入口に立っていたチャッピーが実際のスタッフと同じ制服を着ている遊び心というか、そういうバーチャルではないリアルな感覚がきちんと残されているようなテクノロジーやデジタルの使い方というのも一つの方向としてある気がしている。本展タイトルにある縦横比5×27、全長13メートルにもなるディスプレイ上でループしている新作の映像作品もカッコイイだけでなくどこか懐かしくホッコリしてしまうものが多く、改めて「GROOVISIONS」の類い稀なクリエイティブは時代の流れときちんと対峙し、今後の“VISION”をしっかり見据えているなと感じさせられる展覧会だった。