僕の愛用バッグーポスタルコ『リーガルエンベロープ』

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ポスタルコのプロダクトがとにかく好きでたまらない。『リーガルエンベロープ』はポスタルコがスタートするきっかけともなった代表的なアイテム。こんなにもシンプルで控えめなデザインなのに驚くほどの実用性と可能性を秘めた僕の大切な道具だ。

なぜこんなにもポスタルコの世界に魅せられるのか。物作りのコンセプトが決してぶれない、長く使えば使うほど確実にその経年変化が美しく味となる、デザインや機能美にこだわりと温もりが感じられる、などなどその魅力を挙げればきりがない。一度購入して使い始めたら大げさでなく文字通り一生ものとして付き合っていけるクオリティ。新品の状態より5年、10年と使い込んだ状態のほうが圧倒的にカッコイイ。この『リーガルエンベロープ』はニューヨークで鞄のデザイナーだったマイク・エーブルソン氏が、グラフィックデザインの仕事をしていた妻の友理氏が持ち運びにくそうにしていたA4サイズの書類を入れるためのケースを持ち合わせの布と革で作ったものが原型になり、改良を重ねて製品化されたというエピソードがある。あくまでユーザー目線の快適性を第一に商品開発をしている。裏側の面に厚手の台紙が入っているのでA4サイズの書類だけという中身の少ないときにはミニマルな薄い状態で持ち運べる。逆にノートパソコンやその日の荷物一式を入れてパンパンになったときにはぐわっと広がる約5㎝のマチと紐で留め具をぐるぐると巻いて閉める仕組みのおかげで驚くほどの収納力を発揮する。つまりフタがしっかり閉じない状態でも紐を長めに巻くことでフレキシブルに対応できるというわけ。これがボタンやチャックで留めるとなると難しい。使えば使うほどすべてが理にかなっていることを実感できるし、紐をぐるぐるして開け閉めするというアナログな動作がモノを大切に扱うという意識にさえ影響している気がする。最近トートバッグの出番がめっきり減って『リーガルエンベロープ』だけを抱えて外出する機会が増えた。いつも一緒にいてくれる相棒みたいな感じがして自然と気持ちも嬉しくなる。


これは「& Premium」2016年11月号に掲載されていたgraf服部滋樹氏愛用の「トラベルウォレット」というアイテム。ここまで使い古されてボロボロになってもカッコイイと思えるのがまさにポスタルコの真骨頂。