新発刊『CONTEXT』がこだわる自分らしい暮らし

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以前に紹介したお気に入りの雑誌「nice things.」の増刊(男性版)という形で発刊された『CONTEXT』。コンセプト、ビジュアル、取材対象などまさに僕が雑誌に求めている世界観が見事に詰まっていた。

表紙にはインパクトのある斧(つまり人類最古の道具)の写真とシンプルな「秘密基地 秘密道具」の文字。もうこれだけでワクワクしてくる。男がこだわる道具、そして好きなものに囲まれる住まいや仕事場=基地。建築家・谷尻誠氏自宅マンションの4LDKをワンルームに再構築したむき出しのコンクリート壁のあえて未完成なままの空間。LIFEオーナー・相場正一郎氏がずっと使い続けているアウトドア用品、キッチンツール、カメラ、メガネ、旧いDEFFENDERなど愛着ある道具との理想的な関係。デザイナー・猿山修氏の最小限のものしか置かない移動を前提とした定住しない基地に住むというストイックな感覚。それぞれのスタイルは異なるが、共通するのは自分らしさの追求と身の回りに配置するものや空間に対する妥協なき姿勢。僕にとっての住まいも決して安住の場所ではなく、定住しない“基地”に住むという感覚であえて完成させず余白を残しておくのもいいかなと、最近思い始めている次第である。