我家で愛用しているイームズの椅子ー『アルミナムチェア』

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我家のリビングルームの一角にちょっとしたワークスペースが設えてある。クローズな空間ではないのだが、僕にとっては自分の世界に没頭できる大切な場所だ。

Macで作業をしたり、書きものをしたり、本を読んだり、時々物思いにふけったり。僕にとってはささやかなクリエイティブな時間であり、少し背筋を伸ばしてインプットとアウトプットをする場所。ではそこにふさわしい椅子はなにか。オフィスで使っていたアーロンチェアはとりあえず選択肢から外し、そこまでハイテクで機能重視でなくていいからずっと愛着を持って使い続けられる経年変化こそが味になる椅子はなんだろうと考えた。結論はすぐに出た。イームズの『アルミナムチェア』。当然中国製のリプロダクトは除外、あくまでもハーマンミラー社製にこだわるのは一生使い続けるものだから。シンプルなアルミフレームの曲線はどの角度から見ても美しく、60年前のデザインとは思えない時代を超越したプロダクトの完成度を思い知る。アーロンチェアとは対極と言ってもいい細かいアジャストのできない椅子が長時間座っても全く疲れない快適性を備えている底力には正直驚かされた。個人的にはソフトパッドよりフラットパッドの座面のほうが座り心地がいいと思うし、ハイバックよりローバックのほうがバランスが美しくデザイン的に好みだ。オフィス用の椅子というイメージが強いが、元々は屋外用の椅子として設計されたという成り立ちからか、自宅で使うのもありだしどんなシーンやインテリアにも不思議と溶け込んでしまう。イームズに限らず椅子って本当に奥が深いからどんどん突き詰めたくなるし、自分の用途や好みにぴったりフィットする椅子との出会いや時間の共有が、生活の快適性だけでなく自分の感性や創造性にまで少なからぬ影響や刺激を与えるものなんだなと改めて感じている。