『鮨 真』で最高の鮨を一人じっくりと味わう

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僕は寿司が大好きなので回転寿司や立食い寿司でサクッと食べたりもするのだが、一流の鮨屋に行くという体験自体が一つのエンターテインメントだと思っているので時にはそんな贅沢な時間も楽しむようにしている。

ミニマルでクリーンな店の内装、一枚板のカウンター越しに職人と対峙する緊張感、熟練の技で供されるその季節で一番美味しい魚の食し方。最高の鮨をじっくりと味わいたい時は必ず一人で予約を入れる。そんな僕が気付くと10年以上通っている一番好きな鮨屋が『鮨 真』。今や8年連続でミシュランの1つ星を獲得している超人気店だが、この店がまだ西麻布交差点近くの雑居ビルにあった初期の頃からそのポテンシャルは半端ないと確信していた。若き大将鈴木真太郎氏のあのまっすぐな眼差し、鮨に対しても一人一人の客に対しても。握る所作は力強くそして優しい。小細工なしの真っ当に旨い握り。赤酢のやや大きめのシャリが口の中でほどける感覚。ネタの種類と仕込み、一連の流れ文句無し。その中でも特に貝類のレベルは相当に高い。お腹に余裕があればまだ出ていないネタを惜しげもなく握ってくれる。なくなるとその都度切ってくれる厚みのあるガリのおいしさといったら。どんなに人気で予約が取りづらくなっても僕はこの店に通い続けるだろう。昔からの客を大切にしてくれる真さんがちょっとはにかんだ笑顔でいつも迎えてくれるから。

ある日のおまかせ握りコース

いさき いか アジ 鳥貝

かつお まぐろ赤身 中トロ 中おち軍艦

こはだ ほたて貝 甘海老昆布締め 煮はまぐり

うに(青森産&岩手産) 穴子 玉子焼き とろたく巻き(追加オーダー)

このガリが最高に好みで何度もおかわり

最高の鮨を堪能している時ほど日本人で良かったと思うことはない。こんなにシンプルで奥が深く旬を味わえる料理は他にあるだろうか。できればひと月に一度くらいはこんな贅沢もしてみたい。