僕の手元に残った時計ーROLEX『エクスプローラーⅡ』

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エクスプローラーⅠでロレックスの魅力に取り憑かれた僕は、たぶん多くの人がそうであるように生涯の相棒になりうるロレックスの別モデルが欲しくなった。

デイトナは初めから無理なので絶大な人気を誇るサブマリーナやパイロットウォッチとして誕生したGMTマスターなんかが候補になったわけだが、どうしても普通すぎる選択な気がしていまいち気が進まずモヤモヤしていた時にある雑誌の記事を目にした。今はなき「Esquire日本版」(この雑誌の廃刊は本当にショックだった)の臨時増刊号「The Standards 持ち物の基準」の巻頭ページで何人かの著名人が自分のスタンダードを紹介する記事だ。ポール・スミス氏愛用のファイロファックスをはじめ、ルイ・ヴィトンの機内持込み最大サイズのカバン、丸善の傘、モールトンの自転車など美しい写真とそれらがなぜ自身にとってのスタンダードなのかを綴る知的なコラムにすっかり参ってしまった。この手の特集記事がずっと好きなのは1992年発行のこの「Esquire」以来なんだと思うぐらい僕に影響を与える内容だった。本題に入ろう。この特集に作家の西木正明氏の「実用主義の結論」というコラムがあった。僻地や辺境への取材旅行が多い氏にとって道具を選ぶ基準はとにかく丈夫で壊れないこと、20代から愛用してきたセイコーのダイバーウオッチをアラスカの川下りで無くしてしまい帰国時にアンカレッジ空港の免税店で代わりの時計を物色していた時「機械式の丈夫な時計がほしい」と店員に頼んで出された時計が氏のそれ以降の相棒となるのだが、零下50度の極地からプラス50度の砂漠までありとあらゆる悪条件の中で酷使されても一度もトラブることなくオーバーホールはおろか給油すらせず正確に動き続けている時計。そう、まさに僕が時計という道具に求めているのはこういうことなのだと得心した。

というわけで、この記事の影響でエクスプローラーⅠの次に『エクスプローラーⅡ』という自分でも意外だったモデルが候補に急浮上し2本目のロレックスに決定。手に入れたのはレファレンス16570という型番、1991年から20年間製造されたロングモデルで僕が購入したのはおそらく1990年代半ば頃のモデル。一般的な探検家向けからさらに特化して洞窟探検家の使用を想定しているということで昼夜の区別のため24時間表示ベゼルと24時間針を装備、極点など磁力の影響でコンパスが使えない地域ではこの24時間針が唯一のコンパス代わりとなる。また短針を単独で動かすことができるので2つの時間帯を表示することも可能という、同じエクスプローラーでも時計機能のみのIと比べて実用的かつコンセプトが一層明確になった。僕は極地や洞窟に行くことはないけど、なんかこういう冒険心をくすぐられるエピソードにはグッときてしまう。

僕が一生使い続けるであろうエクスプローラーⅠとⅡ。多少乱暴に扱おうが手入れを怠ろうが黙々と忠実に仕事をこなしていく究極の道具でありまさに最高の相棒だ。