2017年個人的偏愛『カレー』の名店12選

Eats

外食で何を食べるか、基本的にはカレーが最優先の選択肢になる。これまで訪問した店は数知れず、僕の飽くなき欲求を満たしてくれる『カレー』の名店を独断と偏見で選んでみた。2017年現在の個人的備忘録を兼ねて。

何十年も通い続けている有名店から比較的最近通うようになった店まで、ランキング形式ではなく「カレーが食べたい!」と思った瞬間、真っ先に思い浮かぶ12軒。大好きなカレーの店は他にもたくさんあるが、いま僕の中で定番化している店、周期的に無性に食べたくなり居ても立ってもいられず自然と足が向いてしまう店という基準で選んだ。

ムルギー(渋谷)

渋谷の百軒店の奥にひっそりと佇む存在自体が伝説的な超有名店。僕の人生で最も多く食べているカレー。そびえ立つ山脈のようなライス少しずつ崩して、焦げっぽくコクのあるルーと混ぜながらチビチビ食べるのが流儀。一口めはやや甘く感じるが、複雑なスパイスの辛みが後から追いかけてきて時間差で鶏肉の旨みが広がる何とも独特で中毒性の高いカレー。というかこれはムルギーという食べ物だ。玉子増しにチャツネ追加がオススメ。

カレーハウス チリチリ(並木橋)

インド流製法を独自にアレンジした“体調を整える”効果のあるカレー。一皿分に1個使用している玉ねぎを自家製スパイスオイルでじっくり炒め上質なスパイス、ハーブ、野菜、果物を加えて煮込むスープがベースのカレーは身体を浄化してくれる感覚をはっきりと自覚できる。なので定期的に食べたいところだが、平日昼間の短い営業時間がネックになる。チキンマサラを激辛にしてなま玉子のトッピングでマイルドにするのが僕の定番。

東印度カレー商会(不動前)

店名に印度と入っているが、むしろ家で作る欧風カレーの最終形のような誰もが納得の美味しさ。角煮のような豚バラ肉の塊はホロホロ、じゃがいも、玉葱、人参がゴロッと入っているのが家庭的。ライスorナン又はハーフ&ハーフが選べるが、このカレーには断然ライスが合う。万が一食べる配分を間違えてライスが余ってルーが足りなくなっても心配いらない。よく気がつく店員さんがお玉でルーを足してくれる最高のサービスが有難い。

馬場南海(高田馬場)

キッチン南海独特の真っ黒なルーの中毒性はどうしたものか。確実に禁断症状が現れる。そんな時に向かうのは南海系列最強のこの店だ。「カツカレー」ではなくあえて「しょうが焼カレー」にする。甘辛い生姜焼きにマイルドでクセになる苦味とコクのある黒いカレーが絶妙に絡みあう。そこに完璧な半熟具合の目玉焼きを崩して混ぜると究極の一皿が完成する。山盛りのキャベツの千切りとかき玉子の味噌汁付きで700円、恐るべしCP。

ZAZA(三軒茶屋)

三茶といえば「シバカリーワラ」のインドカレーが最強だが、すぐ裏手にある一見バーのようなこの店が提供するいい意味で予想を完璧に裏切られる本格カレーのポテンシャルが半端ない。中でも豚挽肉にたっぷりの玉ねぎと隠し味のピーマンを水を一滴も使わずじっくり炒め、そこにスパイスの香りとレーズンの甘みが絶妙に絡み合う濃厚なドライカリーは突出した美味しさ。BGMはジェームス・ブラウンのファンキーミュージック率高し。

カフェ レッドブック(中目黒)

かつて中目黒銀座にあったカレーの名店「オレンジツリー」の味を継承する店。GHEE系の「フォレスター」と悩むが、現中目黒で一番美味しいカレーはここだろう。こじんまりとしたカフェという規模感なのにまるで専門店のようなメニューの多さに驚く。名物のほうれん草カリー、チキン、キーマ、豚肉、ベジカリー、丁寧に作られた一皿はどれを選んでも間違いない。サフランライスとの相性良し、さくさくのパパドもいいアクセントに。

sync(恵比寿)

この店でオーダーするのは100%「牡蠣とクレソンのカレー」、プリップリの牡蠣の食感と濃厚な出汁の旨味、玉ねぎたっぷりの甘みとスパイスが見事なバランスのさらっとしたルー、そこにシャキシャキの山盛りクレソンのほどよい苦味がアクセントになる。この三位一体の衝撃的なマリアージュは一度味わったら確実に病みつきになる。冬季限定からレギュラーメニューに昇格して一年中いつでも食べられるようになったのが何より嬉しい。

ザ・カリ(御成門)

一見シンプルに見えて、実はものすごく計算され緻密なレシピで完成している実力派。毎回注文するのは「ビーフ(辛口)」、一瞬GHEEのビーフに似たコクと辛さを感じるが、もう少しサラっとしていてじっくり炒められた野菜のエッセンスとホールスパイスが決して出しゃばらず見事に融合し一体化している。油を極力抑えているのだろう、全く胃もたれしない爽やかな刺激を身体が欲するのか本気で毎日食べたくなる中毒性がある。

カレーノトリコ(岩本町)

店名通りトリコになった人でいつも行列。インド風&ドライカレーの「あいがけ」に香ばしいチキンのトッピングが鉄板。香草&香辛料たっぷりの関西系ビジュアルは見るからに食欲をそそる。辛さの注文は初回が10辛まで、ポイントカードを作ると前回の辛さ+10辛までOKという独特のルール。辛さ控えめなので、辛党なら20辛くらいまでは刺激だけでなく旨味を感じるはず。帰る頃にはウルフルズの歌が脳内ループしている。

般°若(下北沢)

カレーの聖地下北沢で一番好きな店。タレントの松尾貴史プロデュースなんて説明はもはや不要、カレー好きを唸らせるこだわりのメニューで勝負。イカ墨のパン粉を使った真っ黒なカツの「マハーカツカレー」も捨てがたいが、ラム特有の臭みが全くないまろやかな旨みのしっとりした羊のキーマが絶品なので、チキンカレーとの「ハーフ&ハーフ」を選んでしまう。ちなみに僕は苦手で食べられないパクチーとキーマの相性が抜群らしい。

ピワン(吉祥寺)

普段は吉祥寺に行く用事はまずないが、この美しい一皿のためだけに行く価値があると思っている。向かう場所は極狭店がひしめくハモニカ横町。なんと着席3、立席2の5名定員なので3名以上での入店はお断り。メニューはチキンカレーと日替りカレー1種のみ、ほぼ全員が注文する「2種盛りカレー」のフォトジェニックなこと。日替りはシーフード率高めのかなりユニークな創作系、Twitterでチェックしたら行列覚悟で目指すしかない。

インデアンカレー 丸の内店(東京駅)

大阪発祥の名店が2005年に東京に進出して以来、ここ丸の内店のみというブランディングが成功している。一口目のフルーティーな甘さとその後に控えるスパイシーな辛さへの“味変”が最大の特徴。この不思議な味わいが脳内に擦り込まれると確実に禁断症状を起こす。オーダー直前まで悩んでライスではなくスパゲッティにする率が高い。卵黄2つのトッピングを「目玉」とオーダーするのが通の証し。ルーとピクルスの大盛りはマストだ。

まとめ

東京にカレーが登場して満140年だそうだ。そこにはしっかりと独自の文化が根付いている。同時にカレーとは完成形のない食べ物。だからこれだけたくさんの店が存在し、店の数だけカレーの種類があり、ずっと変わらない伝統の味もあれば「この手があったか」という新鮮な出会いに驚いたりもする。今回紹介できなかったカレー激戦区の神保町、秋葉原、新宿エリアなど、感動の一皿を求めて東京を歩き回る僕の〈カレー探しの旅〉はまだまだ延々と終わりそうにない。次回につづく。